主催:日本学術会議第1部・福島原発災害後の科学と社会のあり方を問う分科会
日時:2013年1月12日、13時~18時
場所:日本学術会議会議室
パネリスト
小林傳司氏(大阪大学 コミュニケーションデザイン・センター教授)
「もっと前から学んでおくべきだったこと」
吉川泰弘氏(千葉科学大学危機管理学部、副学長・教授)
「科学と社会:BSEリスク評価から学んだこと」
廣渡清吾氏(専修大学法学部教授)
「科学者コミュニティーと科学者の責任」
城山英明氏(東京大学法学部・公共政策大学院教授)
「原子力安全規制ガバナンスの課題」
コメンテータ
杉田敦氏 (法政大学法学部政治学科教授)
鬼頭秀一氏(東京大学大学院新領域創成科学研究科・教授)
司会
島薗進氏(東京大学文学部・大学院人文社会系研究科教授)
後藤弘子氏(千葉大学法学部・大学院教授)
開催主旨
福島第1原子力発電所の事故により、科学と社会の関わりのあり方が根柢から問い直されることとなった。政府や産業界の望む原発推進に沿った見方を提示する科学者が重用され、安全性を過大評価してきた過去が露わになった。科学の中立性が疑われ、科学者の信用が失墜した。政府や自治体が設ける審議会や委員会において、偏った委員が選ばれていたり討議の内容が隠されていたりする事態も深い失望を招いた。科学者が適切な専門知識を提供して、政府や社会の判断に資する必要が高まっているにも拘わらず、それがうまく行っていない。原子力や放射能だけではない。広く公害問題やリスク評価等においてどうだったか。歴史的な展望をも含めて、科学と社会の関係について問題点を捉え返す必要がある。このシンポジウムでは、多様な学術分野の壁、専門家と非専門家の壁を超え、これらの問題をともに考え討議したい。