「現代における宗教の役割研究会」(通称:コルモス)の公開講演会をご案内いたします。
この研究会は宗教者と研究者がともに現代における宗教の役割について議論し合うという趣旨でつくられたものです。昭和46年(1971年)に第1回が開催され、今回は第66回になります。これまでは非公開でしたが、今回から第1日目の講演会を公開にいたします。たくさんの方々のご来場をお待ちしております。
現代における宗教の役割研究会 公開講演会
テーマ「日常からの脱出/日常への帰還」
趣旨:日々の生活のなかで出口のない暗闇に落ち込むことがある。その暗闇の中でもがいているところにようやく一筋の光が差したとき、人は「救われた」と表現する。それは伝統的に諸宗教が「救い」と呼んでいたものと形が違うが、やはり「救い」としか呼べない何かであろう。かつて宗教に求められていたのは、魂の救済や苦からの解脱、死後の幸福などであった。しかし、現代社会で多くの人が口にするのは、生きづらさから逃れたいとか、自分の居場所が欲しいというような思いであり、生きているという実感がもてないという嘆きである。そのような思いや嘆きは、多くの場合、どこに向かったらいいのか指標を失っているように見える。指標を失った思いや嘆きは、暗い迷路に踏み込んだり、いびつな悪意を醸成したりすることがある。現代の諸宗教はそれらの思いや嘆きをすくい取り、日常を超え出るとともに再び日常へと帰着する道を示すことができるであろうか。そういうことを一緒に考えたい。
日時:2019(令和元)年12月26日(木)12時〜17時
場所:同志社大学 今出川キャンパス 良心館1階 RY104
12:00 受付
13:00 開会・趣旨説明
13:15 講演
「イスラームを力で押さえ込むことの無意味さ」
同志社大学教授 内藤正典氏
「現代社会において宗教は(どう)役に立つのか」
社会学者 大澤真幸氏
「〈ここにいる〉ことの絶望的な困難──〈宗教哲学〉からの考察」
京都大学教授 杉村靖彦氏
15:30 休憩
15:40 討議
司会:同志社大学教授 小原克博氏
コメント:京都大学名誉教授 氣多雅子
17:00 閉会