大谷いづみさん職場復帰支援の集い(報告)

「大谷いづみさん職場復帰支援の集い」への参加の呼びかけ

 116日 18:00~ 

於:ハートピア京都(京都・烏丸線「丸太町」)大会議室

http://heartpia-kyoto.jp/access/access.html

約50人の方々が参加されました。大谷さんが苦しんできた事態をともに受け止め、事実経過をたどりながら、どこに問題があるのかを考える場となりました。『京都新聞』が翌日(11月7日)、「嫌がらせ准教授「接近禁止徹底を」 病欠の立命大教授支援集会」との見出しで記事を掲載しています。

http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20171106000193 

この記事からも事態の異様さはわかりますが、なぜ職場復帰が進まないのかはわかりにくいでしょう。立命館大学産業社会学がどのように対応してきたかが問われます。詳細な事実経過を示していくことで、問題の所在がより明確に見えてくるでしょう。「大谷いづみさんの職場復帰を支援する会」で大谷さんを支えながら、問題の明確化を求めていきます。

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■控訴審情報

先日、立命館大学の教員である大谷いづみさんの職場復帰を支援する集いの呼びかけを行いましたが、控訴審も始まりますので、お知らせいたします。
裁判は、手続きなどなくどなたでも傍聴できます。重要な裁判であることを裁判官に感じてもらうためにも、多くの方の傍聴が必要です。
勇気をもって声を上げた大谷さんを、ぜひご支援下さい。

◆控訴審第一回期日
12月13日(水)午前10時
大阪高裁 別館7階 73号法廷
http://www.courts.go.jp/osaka-h/about/syozai/osaka_h/index.html 
http://www.courts.go.jp/osaka/vcms_lf/H29.2heimenzu_bekkan.pdf

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閉ざされた科学者集団は道を踏み誤る ――放射線健康影響の専門家は原発事故後に何をしたのか?――

『日本の科学者』第39卷第3号、2014年3月、特集「原発過酷事故を倫理的・道義的に考える」、掲載。

1. 流出した放射性物質の健康影響問題にどう対処するか? 
 福島原発事故の直後に、原子力発電や放射線の健康影響に関わる科学者(科学技術に携わる人々)集団がどのような態度をとったかはよくよく吟味する必要があるだろう。科学者が科学者にふさわしい行動を取ってきたかどうか。そのことが市民と科学者集団との信頼関係を損ねるようなものでなかったかどうか。こうした問いに取り組んでいくことで、科学者の倫理性・道義性について、またそれを高めるための制度や仕組みについて考えていく手がかりが得られるだろう。ここでは、福島原発事故により流出した放射性物質の健康影響の分野の科学者集団の行動のある局面に光を当てていく。
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国家神道関係論文・著書(2021年1月)一覧

論文を集めた研究書の刊行の作業がはかどりませんので、早く研究書をまとめるための一助としたいと思い、書籍・論文一覧を掲載します。
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1946年1月1日と2016年8月8日の2つの天皇の「お言葉」

 8月8日の「お言葉」に示された今上天皇の生前退位のご意思に対し、天皇の生前退位を認めず摂政制で問題を解決すべきだという考えを表明している論者もいる。たとえば、『産經新聞』の7月16日号では、小堀桂一郎(東大名誉教授)の次のような見解が紹介されている。「退位された前天皇の国法上の地位、処遇、称号の問題。明治天皇の御治定にかかる一世一元の元号の問題。何よりも、天皇の生前御退位を可とする如き前例を今敢えて作る事は、事実上の国体の破壊に繋がるのではないかとの危惧は深刻である。」http://www.sankei.com/life/news/160716/lif1607160022-n2.html
 「国体」は万世一系の神聖な天皇こそが日本の国家の精神的な支柱であるとし、そのような存在として天皇崇敬を鼓吹し、そこに「美しい日本の国柄」を見ようとする理念である。このような「国体」理念にそった天皇のあり方と、日本国憲法が規定する「象徴天皇」のあり方には大きな開きがある。このことを理解するためには、戦後すぐに表明されたもう一つの「天皇のお言葉」を参照するのがよいだろう。「天皇の人間宣言」とよばれる文書である。
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池田大作「二十一世紀の平和路線」を読む(2)

『創大平和研究』の創刊号(1979年2月)(『池田大作全集』第1巻、収録)の論文の読解。(1)の続きです。

 この論文で池田大作氏は6つの「提言」を示している。その第1は「平和憲法の遵守」である。プロローグに続いて、「一」から「六」へとその「提言」が述べられていく。以下、「一、平和憲法の遵守」を紹介しつつ、私なりに捉えたその現代的な意義を述べて行く。まず、この節の冒頭を紹介する。
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池田大作「二十一世紀の平和路線」を読む(1)

  『池田大作全集』第1巻に収録されている「二十一世紀の平和路線」という論文は、現在の創価学会の平和思想を理解する上で欠かせないものの一つだ。池田=トインビー対談(以下のウェブサイト、参照 http://shimazono.spinavi.net/wp/?p=675 )などと並んでもっとも重要なものの一つだろう。この論文は『創大平和研究』の創刊号(1979年2月)に掲載されたもので、概要は以下のウェブサイトにまとめられている。
http://space.geocities.jp/felix_jpn_sgi/Marathon/001-02.html 
 この論文は、1980年頃から2010年代に至る時期の創価学会の平和思想と、創価学会が支持する公明党の政策との関係を理解するのに大いに役立つはずだ。とりわけ、2014年から2015年にかけて、公明党が集団的自衛権を容認し、一般の創価学会員の平和観との間に齟齬を来している事態を理解する際に意義が大きい資料である。だが、ここでこの論文を取り上げるのは、そうした時事的関心にとどまらない。あわせて、この論文がもつ宗教的な平和思想としての現代的意義についても考えていきたい。

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大学における人文・社会科学系教育を軽視する文科省通知に抗議する日本学術会議幹事会声明(7月23日)に国際社会科学協議会から支持

大学における人文・社会科学系教育を軽視する文科省通知(6月8日)に抗議する日本学術会議幹事会声明(7月23日)   http://www.scj.go.jp/ja/info/kohyo/division-17.html … に対し国際社会科学協議会 (International Social Science Council(ISSC))からの支持表明が7月24日付で送られてきました。国際社会科学協議会のAlberto Martinelli会長 (President International Social Science Council, Professor Emeritus of Political Science and Sociology, University of Milan, Italy)の書簡の形をとっています。

SCJ letter July2015 (2)

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生活知と近代宗教運動―牧口常三郎の教育思想と信仰(1)

河合隼雄他編『岩波講座宗教と科学5 宗教と社会科学』岩波書店,1992年12月、212‐244ページ

一 科学・宗教・生活知

 「創価学会という名前を初めて聞いたとき、どんな学問を研究している団体かと思った。後から宗教団体だということがわかり驚いた。近代人の科学崇拝が宗教の中にもしみこみ、宗教団体が科学を僣称するという現象なのだろう」。ひと昔前、創価学会が話題になるとき、こんな感想が聞かれた。なるほど、一宗教団体が「学会」と称していることは奇妙なことかもしれない。しかし、創価学会の立場からすれば、そこに何等奇異なものはない。創価学会の信仰は真の仏法を代表するが、それはまた最高の哲学であり、科学的真理を代表するものでもある。
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抵抗の宗教/協力の宗教――戦時期創価教育学会の変容

倉沢愛子他編『岩波講座 アジア・太平洋戦争6 日常生活の中の総力戦』岩波書店、2006年4月、239−268ページ(途中まで)

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創価学会の仏教革新―戸田城聖の生命論を仏教思想史上に位置づける

「新宗教と現世救済思想――創価学会の仏教革新」高崎直道・木村清孝『シリーズ・東アジア仏教4 日本仏教論――東アジアの仏教思想Ⅲ』(春秋社、1995年9月)より

1 はじめに

 都市化や情報化が進み、激しく変化していく世界の中で、実践される宗教としての仏教、また実践者の集団としての仏教教団はどのように変容していくのだろうか。二〇世紀の後半の世界で、どちらかと言えば衰退傾向にある多くの伝統仏教と対照的に、たくましい生命力を発揮して世界の人々に受け入れられてきた実践仏教運動がいくつかある。アメリカ合衆国やヨーロッパ・台湾などで熱心な信徒を集めているチベット密教や禅仏教、タイの都市大衆を引き付けているタンマカーイやサンティ・アソークなどはその例である。霊友会系の教団や真如苑など、日本の新宗教の中の仏教運動もそれに含まれる。しかし、世界の広い地域でもっとも多くの人々をまきこんで展開している運動は、いうまでもなく日蓮正宗・創価学会の運動である。

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