『UP』2014年9月号より
【集団的自衛権の閣議決定と公明党】
二〇一四年七月一日の集団的自衛権の閣議決定をめぐる公明党の態度は、支持者である創価学会の会員にとっても分かりにくいものだったようだ。創価学会について宗教思想史の側面からいくつかの研究論文を発表してきた私のような宗教研究者にとっても、理解が容易ではなかった。
七月三日の『東京新聞』は、共同通信による世論調査の結果をこう紹介している。「集団的自衛権の行使容認に慎重だった公明党が最終的に行使容認へ転じたことについて支持層の四九・〇%が「納得できない」と答え、「納得できる」の四二・四%を上回った」。首相が政府、与党に検討を指示してから約一ヶ月半で行使容認が閣議決定されたことについて、公明党支持層の七九・九%は「検討が十分に尽くされていない」と回答しているという。